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前半に引き続き、パーソンセンタードケアの普及と介護者の心のケアに力を入れている寺田真理子先生に、認知症の介護に大切なことを教えていただきます。世間では「認知症になると本人は何も分かっていない」というイメージを持たれがちですが、実際はそうではありません。記憶力が落ちたり、言葉をうまく話せない状況だとしても、心はしっかりしています。さらに、自分が以前の自分ではなくなっていることも理解して、戸惑っているケースも多いのです。ですから「どうせ何言っても分かってないんだろう」という態度で接するのは大間違い。認知症のある方も「バカにされている、理解してもらえない」と心を閉ざしてしまいます。とはいえ、現実には見えないものが見えると騒がれたり、自宅にいるのに家に帰りたいと言われると、介護者の方もどう対応したら良いのか困ってしまうことでしょう。寺田先生が勧めるのは「認知症の方の気持ちに寄り添い、その言動の裏にある真意を翻訳してみる」ということ。講座では、症状に合わせた会話例や対応策も具体的に紹介していますので、すぐに介護に生かすことができます。
日々の介護の中で、自分では想像もつかない言動をとられたり、何度注意しても言うことを聞いてくれなかったりと、認知症だと分かっていながらもイライラしてしまうことがあると思います。そんな時、認知症の方にそのまま怒りをぶつけていませんか?患者さんも自分の本意で行っていることではありません。叱られると萎縮して、うまくコミュニケーションを取れなくなるなど、関係性が悪化する心配があります。イラっとした時に、まずは心を鎮めること。自分にとって最良の方法を見つけると良いでしょう。また、心理学の世界では「怒りは第二感情」と言われています。すなわち、その前に何かしらの「第一感情」があり、それが裏切られたり、叶わなかったから「怒り」が生まれるのです。これを理解すれば、相手に対して感情のまま叱りつけることもなくなります。認知症の方にも心があります。怒られるのと優しくされるのとでは、全く違うのです。残念ながら、現代の医療では認知症は治りませんが、認知症とともによく生きることはできます。この講座で是非、学んでください。
必須知識 |
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特になし |
担当講師 |
寺田 真理子(てらだ まりこ) 先生 日本読書療法学会 会長 |